この本の作者ひろさちやさんは、東大のインド哲学科を卒業して博士課程まで修了した方で、たくさんの本を書いています。特に仏教思想をわかりやすく書いた本が多いようです。
そして、東大の博士課程を修了したからといって堅苦しい論文めいた本ばかりを書いているわけではありません。この本もタイトルから伝わってくるように、とても愉快なワクワクする内容の本です。
皆さんは仏教に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。
「道徳を説いている宗教」とか「意味は分からないけど法事のときのお経のやつ」とか、あるいは「宗教なんてそもそも怪しい」「人の弱みにつけこんで金を巻き上げるもの」といった印象を持っている方もいるのではないでしょうか。
でも元々は仏教って故人を偲ぶとか、道徳を説くとか、そういうものではなかったそうです。
むしろ、そうした悲しむ気持ちや道徳、常識から自由になることを応援する教えであったそうです。
では、この本の刺激的な文章をいくつか抜粋します。
赤提灯で得々として語っているサラリーマンおやじの「意見」なんてものは、商業新聞や週刊誌に書いてあることと同じです。いわゆる体制護持的な思想、それを弱者は自分の「意見」だと思っている。思わせられているのです。
ひろさちや『「狂い」のすすめ』集英社新書
人生は無意味なんです。…中略…人間は、――ついでに生きている――
ひろさちや『「狂い」のすすめ』集英社新書
こういう考え方ってなんていうんですかね。虚無主義とか言われたりするんですかね。「極端なことを言うな」とか「子どもみたいなこと言うな」などの言葉が飛んできそうです。
そして、現在の日本における仏教の一般的なイメージとはかなりギャップがあるように思います。
確かに、実際に生きていくうえでは、常識や社会から完全に自由であろうとするのは難しいです。
ただ、仏教の考え方を借りて、少なくとも気持ち的には常識や観念から自由でいることはできるのではないでしょうか。
まぁ、それも簡単ではありません。気持ち的に自由でいようとすると、常識や観念を押し付けてこられたときに反抗したくなることだってありえます。
それでも、心の片隅にでもいいから、そうしたウザったいものから距離を置く余裕を持っていたいと思わせてくれるのがこの本です。
他にも仏教の思想を深く知りたいという方におすすめの本がたくさんありますが、そのなかでも難しすぎず文字多すぎず、簡単すぎない、とても好きな本を一冊、商品リンク載せておきます。
実は茶道は仏教の思想と関係が深いそうです。
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