一言に長期投資と言っても、キャピタルゲインとインカムゲインのどちらを優先して狙っていくのかという点で銘柄の選び方に違いがあるようです。
あるいは、どのような目的で株の運用をするのかという点で、キャピタルゲインとインカムゲインのどちらを狙うのかに違いが出るのかもしれません。
私が投資をするうえで参考にしている主な文献の一つ『ビジネスエリートになるための教養としての投資』の著者である奥野一成さんは、
配当金は会社の価値を削って株主に払っているようなもので、配当金が無くても、会社がしっかり成長するのであれば、それで十分株主にとっては利益になっているという考え方をされているようです。
確かに配当とは、いわば会社の資金を株主の財布に戻す作業であって、そんなことをせずに資金を次の商売の元手にしたほうが、会社はより成長をして、結局はそのほうが株主の利益になるという理屈も成立します。
しかし、会社が成長し、会社の価値が上がったからといって、それが株価に直に反映されるとは限らないのが株式市場です。
株価は、実際の会社の価値だけではなく、景気や株式市場の流行、会社への期待値、機関投資家の思惑など、様々な要因で動いています。どんなに利益が大きくなっていて、どんなに将来が有望に見える会社でも何らかの要因で株価が上がらないことだってありえます。
株式投資を本業にしている専門家ならまだしも、私のような、ひよっこ酒飲み個人投資家が株価の変動なんてものを理解することなど到底無理なのです。
『10万円から始める!小型株集中投資で1億円』の著者、遠藤洋さんは株式投資は「美人コンテストで誰が優勝するかを当てるゲーム」でもあるとおっしゃっています。
「自分がいちばんカワイイと思う人」に投票するのではなく、「みんながいちばんカワイイと思う人」に、まわりのみんなよりも、ちょっとだけ早く投票するのが投資で大きなリターンを得るためのコツ、だそうです。
つまり、実際の企業の価値や実績だけでなく、企業の将来性や市場の見通しなどを含めて、それを世の中の投資家がどのように評価しているのかで株価が決まっていくのです。
どうでしょうか?こう考えると、私はキャピタルゲインで利益を出そうとする銘柄選びは選択の根拠に不確定要素が多くなってしまうと感じます。
またまた私が参考にしている文献を出しますが、
『バカでも稼げる「米国株」高配当投資』で有名なバフェット太郎さんは、
例えば、GAFAMなどのS&P500平均をはるかに上回るパフォーマンスを実現していて有望・安泰に見える銘柄でも、株価の上昇がブームによるものである可能性は捨てきれないと指摘しています。
だから、バフェット太郎さんは株価が上がらない、もしくは下落している時期でも配当収入をもたらしてくれる高配当銘柄を選んでいるようです。
私はというと、奥野一成さんとバフェット太郎さんの考え方を参考にして、私なりの折衷案で銘柄選択を行っています。
基本的には、奥野さんが推薦するような長期的な成長あるいは持続が期待できる銘柄が候補になるのですが、
配当は無くても良いという投資法には同調できません。
確かに、奥野さんがマネージャーを務める投資信託の構成銘柄になっている会社は、10年、20年の長期スパンで見れば株価が上昇しているのですが、1年、2年の短期スパンで見ると、停滞もしくは下落している場合もあります。
仮にその銘柄がアマゾンやアルファベットのように無配当だとすると、その間は株式投資から得られる利益は無しということです。
ゆくゆくは配当金を生活費の一部にしたいと考えている私にとって、これはいただけません。
だから、バフェット太郎さんのように配当が見込める会社を選ぶのですが、バフェット太郎さんのポートフォリオの銘柄には、確かに高配当・連続増配を実現している一方で、株価は下落傾向にある銘柄もあります。
そういう銘柄に多いのは、かつては長期的な成長を続けてきたが、今はそのサービスや商品の市場自体がしぼんでいたり、競争が進み他企業に優位を取られていたりといった事情です。
結果、株価は下がる一方で連続増配はなんとか続けているので、配当利回りは高くなっていて、”高配当”という面では魅力的ではあるのですが、長期的な成長・持続という面では心もとない。
そして、株価が下がれば資産額が減ります。配当を受け取っていても配当金以上に株価が下がるのは避けたい。
ということで、私は“高配当”という条件には拘らず、“長期的持続と連続増配”が期待できる銘柄を選ぶことにしています。
長期的持続と連続増配が可能であれば、将来的に取得価格に対する配当利回りは高くなっていきます。
そのような持っているだけで年々配当金を増やしてくれる銘柄を集めていこうと思っています。
今回は以上です。
以下、投資を始めたばかりの頃の心の葛藤を書いた記事です。
※投資に関する判断は自己責任でお願いします。