福祉の転職 法人内での出世を優先するか多くの現場を経験するか

福祉施設に勤めていて他の施設への転職を考えている方はたくさんいると思います。

理由は様々でしょう。

待遇が不満、職場の雰囲気が苦手、上司が信頼できない、施設の方針に馴染めない、体力的に限界、などなど。

でも、「転職すると履歴書の経歴にキズがつく」とか「出世が遅れる」などの懸念があり、転職に踏み出せない気持ちがあるのも致し方ありません。

ですが、私個人の意見としては、どんどん転職をしたら良いと思います。

その理由は、私自身が複数の職場に勤めて色々な職員と関わってみた結果、福祉の仕事に関しては複数の職場を経験してきた職員の方が一つの職場で長く勤めている職員より、支援員としても組織人としてもレベルが高いケースが多いと感じるからです。

私は経験が増えるほど謙虚になり、自分こそが正しいといった考え方が無くなる一方、自分に疑いを持たない人が狭量に見えるようになりました。

批判を受けそうですが、そもそも、福祉施設で同じ職場に長く勤めている職員は精神的にたくましい方が多いように感じます。自分の支援についての自信が強く、他の職員を簡単に否定できる。そういう方が長く残るため、法人内では出世します。反対に、謙虚で思慮深い方は長く続きにくいように感じます。

そういう構造になりやすい理由の一つは、人間関係もあると思います。私個人の見解を詳細に言葉にするとこれまた大きな批判を受けそうなので、具体的な説明はしませんが、福祉施設の職員の世界は人間関係がドロドロしがちなのです。

もちろん、そうでない職場もありますが、少なからずそうした傾向があると思います。

そういう職場に長く残っている職員は精神的な蹴落とし合いに勝てる方が多く、さきほど書いたように思慮深く謙虚な方で長く勤めている方っていうのは、よほど職場や利用者に対する責任感や思いやりが強く辞められない方か、法人内で出世してドロドロの環境から超越したいという意欲のある方か、はたまた、単純に新しい職場に転職することが職場に残るより億劫な方かといった感じです。でも、私の経験上は、そういう気持ちで長く勤めている方はかなり少数の割合です。

でも、勇気をもって転職をすれば新たな経験ができて、それが支援員として成長するための肥やしとなりますし、居心地の良い職場に巡り合えるかもしれません。

幸い、福祉系の求人は数が豊富なので、転職は比較的容易です。ただし、常に求人が出ている施設は職場環境に何らかの問題があり、反対に、職場環境の良い施設の求人はなかなか少ないと考えられます。

ですが、どのような職場を居心地が良いと感じるかは人それぞれなので色々試してみれば良いと思います。

ちなみに私は唯一、福祉法人ではない職場に勤めていたときが最も人間関係は居心地が良かったです。

こうして述べてきましたが、同じ職場に勤め続けるのは良くないと言っているわけではありませんよ。

あくまでも、転職を検討している方の背中を押すために書いています。

勤めている施設の方針や雰囲気が嫌いで、自分が大切にしたい思いを実現しやすい環境を求めているなら、気軽に転職してみてはいかがでしょうか。

支援員としての実力より法人内での出世を優先するか、地位は得にくいけど支援員としての経験を優先するかという選択にもなる場合もあると思います。

短期間で転職するのは何となく気が引けるのもわかります。石の上にも三年という言葉もありますが、今の時代、三年も石の上にいたら結果的に後悔することも多々あります。

関わっている利用者への想いから躊躇する方もいるかもしれません。でもあなたが他の環境で色々な経験をすることで、今後出会う利用者には、より良いサービスが提供できるようになります。

今回は我ながら、かなり個人的な偏った主張をしました。不快な思いをされる方もいるかもしれません。ダメダメな福祉職員のボヤキと思って読んでいただければ幸いです。

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