株式投資に対して道徳的・倫理的に悪い印象を持っている方いませんか?
「株をやっている」と言うと、冷たい目で見られるんじゃないかという思いがありませんか?
株に興味はあるけど、悪いことをするようで一歩を踏み出せないでいる人いませんか?
私自身、10代の頃はあまり良い印象を持っていませんでしたし、
今現在、株に対して「ギャンブル」「大損するのではないか」「楽して稼ごうとしている」「ずるい」「悪い」などの印象を持っている妻に、少しずつ説明して理解を促している最中です。
そう!
株式投資をしていることを他人に話すとき、相手によっては理論武装が重要になります。
あるいは、自分を納得させるための理屈を必要とする真面目な方もいるかもしれません。
今回は、私が考える株式投資の社会的意義や個人的なメリットをまとめてみたいと思います。
株式投資についてあまり良い印象を持っていない方の誤解を解いたり、理解を深めるきっかけになればと思います。
ちなみに、私の妻は、この記事で書かれているようなことを私が話すと、「株って誤解されているよね」「ちゃんと勉強すれば堅実なことができるんだ」などとリアクションしてました。
社会のニーズに応える活動を応援する
まず第一に、そもそも株式投資とは会社に出資することから始まっています。
株とは、会社が自社の事業に対する出資を募り、出資者は出資することで株式という会社の所有権を持つことになるのです。
いえ、もっと言うと、事業に賛同する人たちが出資することで形成されるのが会社であって、会社は厳密に言うと、経営者のものではなく出資者のものなのです。
そして、株式投資は本来、会社の社会活動を応援する行為であったり、社会活動に自分のお金を賭ける行為なのです。
なぜなら、会社は誰かのニーズに応えるから見返りとしてお金を受け取るのであって、
会社に出資をするということは、その会社の社会活動に出資をするということだからです。
確かに、株式が発行された後、株式市場で売買されるようになってから買う株式は純粋な意味での出資ではありません。
株式市場で、はじめから売買益を狙って売り買いするのは、ギャンブル的な意味合いが強いと思います。
しかし、社会のニーズを満たし続け、より良質な社会活動を行う会社は、会社として利益を上げていきます。
そんな価値のある会社の所有権も持ちたいと思うのは、ギャンブルでしょうか?
その所有権の買いたい人が増えると株価が上がっていきます。結果として含み益が出ますし、実際に売ると、売買益が出ます。でも、それはギャンブルでしょうか?ずるいこと、悪いことでしょうか?
企業に出資すること、期待する企業の株式を保有することは、その企業の可能性に賭けるということであり、活動を応援することと言えるのです。
こうしたことは資本主義社会に生きる一員として、大切な役目とも言えるのではないでしょうか?
自国の株式を自国民で保有することの意味
日本人の個人の保有資産に占める株式の割合は、諸外国と比べてかなり低いそうです。
株に対する悪い印象もあってか、日本人は株式投資はしたがらず、現金預金で資産を持っておきたがる傾向があるなどと言われています。(この点はデータの取り方や調査方法の仕組みで結論に違いが出る可能性もあると思いますが、海外を知らない私にとっても、漠然とそうなんだろうなと思わせられます。)
それも理由なのか、日本の大企業で、株式の大半が外国人に保有されている企業は少なくありません。(その外国人の大部分は機関投資家らしいので、資金力のあるアメリカや中国の機関の存在が大きいのは当たり前と言えば当たり前ですが…)
日本という国を成立させている、日本にとって欠かすことのできない大企業が外国人のものになっているということです。
これって、結構怖いことじゃないですか?
この構図が強固になればなるほど、アメリカとか中国とかの思惑に私たちの経済が左右されなくてはならないってことですよね?
言い方を変えれば、日本の産業が外国人のものになっているということです。
「だから日本の株を買いましょう」と言うつもりはありませんが、
とにかく、資本主義の世界において株式を持つということは、そういう意味もあるということです。
銀行にお金を預けていては、物価上昇に合わせて相対的に価値が下がる
「貯金が一番安全」と考えている方もいますが、見方によっては、安全ではありません。
現在の銀行の金利なんてゼロに等しいですよね。預金額はほとんど増えません。
でも、少しずつ、あまり感じない程度に世の中の物価は上昇していきます。
つまり、銀行に預けているお金は、物価が上昇するにつれて相対的に価値が下がっていくのです。
その点、株式投資をしていれば、もちろんヘタに動かすと損をしますが、堅実に運用していれば物価上昇に合わせてリターンを得ることが可能です。
「堅実に運用する方法が分からない」「将来のことなんて分からないんだから間違いのない投資なんてきるのか」などの意見がありますが、
その意見に対しては、「勉強あるのみ」と応えれば良いのです。
勉強したくないという方は、インデックス投資のみをすれば大きくは間違えないと思います。
社会や経済についての理解が深まる
長期保有を前提にしてどの銘柄を買おうかと調べたり考えたり悩んだりしていると、社会や経済についての理解が深まっていきます。
そういう作業がしたくないという方には先ほども言ったようにインデックス投資があります。
でも、学ぶことが嫌いでなければ、色々な企業や市場、社会について思考を巡らせ、それが投資に生きてくるわけですから、勉強の甲斐がありますよね。
私なんかは、この勉強自体が目的になりつつあるのではないかと思うことも、あったりなかったりします。
自分より優秀な人に働いてもらう
この点は、冒頭であげた「楽して稼ごうとしている」という意見が刺さりそうですが、
自分より優秀な人に自分のお金を賭けるというのは、社会の生産性を上げるという意味では意義のある行為ではないでしょうか?
自分の収入の生活費を差し引いた分を他人の事業に投資するということが良い形で循環すると、社会全体として富が増す、
なんてことを簡単に言うと、経済学を学んでいる人から様々な意見が飛んできそうなので、強くは言い切りません。
しかし、自分より優秀で自分よりやる気に満ちた人にお金を賭けて、自分はその見返りをいただくという構図は、そんなに非難されるようなことではないのではないでしょうか?
以上、
株式投資をしたいけど、悪いことを始めようとしているのではないかと考えている方、また、株式投資をしていて、周囲の人に胸を張れない気持ちを抱えている方の励ましになれば嬉しいです。
以下、株を始めた頃の葛藤を書いた記事です。
株式投資の参考にしている文献です。
※投資に関する判断は自己責任でお願いします。